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燃焼の3要素とは!?

こんにちは!消防マナブです!

燃焼のメカニズムを知っておくことは消火活動において重要になりますよね!

というわけで今回は燃焼のメカニズムを理解するために、燃焼の3要素について確認していきましょう!

燃焼とは

燃焼とは

光と熱を伴う化学反応のこと

をいいます。初任科でも習いましたよね。

燃焼の4要素とは

次に燃焼の4要素について説明します。

「あれ?さっきまで3要素って言っていたのに、急に4要素になったぞ」と思ったそこの貴方、Google検索に引っ掛かりやすいように3要素にしてました笑

消防協会の火災防ぎょの教科書の記載や先輩方から燃焼の3要素で習うことが多いですよね。

ですが、消防マナブログは最先端を行くブログなので、燃焼の3要素にプラスした燃焼の4要素としている教科書もここ最近では多いので、今回は燃焼の4要素として解説していきます。

燃焼のメカニズム

燃焼が継続するには4つ要素が必要です。

①可燃物があること、➁熱源(発火エネルギー)があること、③周囲に酸素(支燃物)があることの3要素にプラスして、燃焼の連鎖反応の4要素が存在した場合、燃焼が継続します。

燃焼の4要素のイラスト

可燃物

可燃物とは燃焼するにあたり燃料になるものを指します。俗にいう有機化合物や「酸化されやすい物質」は可燃物になります。

例を挙げると「ガソリン、木材、石炭、メタンガス」などがあります。可燃物は気体、液体、固体など、状態に応じて燃焼の仕方が変わります。

気体の燃焼

気体の燃焼は”定常燃焼”と”非定常燃焼”に分けられます。

定常燃焼

”定常燃焼”とは管理された通常の燃焼のことをいいます。
定常燃焼は”混合燃焼”と”非混合燃焼”に分けられます。

混合燃焼

”混合燃焼”は可燃性ガスと空気が効率よく混合された燃焼のことを指します。酸素と可燃性ガスの濃度が均一で最も燃焼効率の良い混合比となっているため、完全燃焼し青い炎になります。例として、家庭のコンロで使われるプロパンガスや都市ガスの燃焼、バーナーによる燃焼が挙げられます。

非混合燃焼

”非混合燃焼”は可燃性ガスが空気中の酸素と混合されて燃焼することです。この場合は混合燃焼と異なり、自然界の空気と混合され燃焼するため、可燃性ガスと酸素の混合比が場所によって異なるので完全燃焼はできません。そのため、混合燃焼と異なり、炎の色は黄色やオレンジ色になります。後述しますが、固体や液体の燃焼はこの非混合燃焼になります。

非定常燃焼

非定常燃焼とは管理されていない燃焼になります。密閉された容器の中で、可燃性ガスと酸素との混合ガスが点火されると急激な燃焼が起こり、爆発的に燃焼を起こします。これが非定常燃焼といいます。

液体の燃焼

液体が燃焼するためには、まず液体が可燃性ガスにならなければなりません。そのため、液体の燃焼は液面から蒸発した可燃性ガスが空気と混合されて燃焼するため”蒸発燃焼”といいます。

つまり液体の燃焼を止めるためには、この液面からの蒸発を止めなければなりません。しかし、蒸発する温度は液体燃料の種類によって変わりますよね。なので、この液体燃料が蒸発し、燃焼に十分な可燃性ガスが発生し熱源があれば燃焼する温度を”引火点”といいます。テキストなどによく出てくるので覚えましょう!詳細は後日記事にしたいと思います。

固体の燃焼

固体の燃焼も固体から可燃性ガスに変換しなければ、燃焼は発生しません。固体の燃焼は”蒸発燃焼”、”表面燃焼”、”分解燃焼”の3つに分けられます。

蒸発燃焼

蒸発燃焼は固体がガスに昇華し発生する燃焼のことをいいます。液体の燃焼と同様に蒸発した可燃性ガスが空気と混合されて燃焼が起こることをいいます。

表面燃焼

表面燃焼は、固体の表面で生じる燃焼のことをいいます。熱分解を起こさず、蒸発もしないで高温を保ちながら、固体に入り込んでくる酸素と表面の炭素が直接反応して燃焼します。炎が上がらないのが特徴なので”無炎燃焼”とも呼びます。木炭や石炭の燃焼がこれにあたります。

分解燃焼

加熱された物質が熱分解し、それによって生じた可燃性ガスと空気中の酸素が混合し燃焼する現象のことです。最も一般的な固体の燃焼で木材などがこれにあたります。

支燃物

燃焼とは、酸化反応のことでしたね。つまり、燃焼するためには当然酸素が必要です!
この酸素のことを支燃物といいます。

消火するためには、この酸素の供給を断つことが必要になります。
酸素の供給源として、大気や第1類、第6類危険物がそれにあたります。

熱源

物質は可燃物と支燃物があり、そこに点火に必要な点火エネルギーが加わることで燃えます。それを熱源といいます。

熱源にもいくつか種類があります。

化学熱エネルギー

化学熱エネルギーは最も一般的な熱源です。物質は酸化反応が起こるとが発生します。これを化学熱エネルギーといいます。

火災調査の授業で、よく例として出る天かすの自然発火も酸化反応による熱源が原因となります。これは空気に面した部分の天かすが酸化反応を起こし発熱します。本来は多少発熱しても大気中に放熱されますが、空気の面していない天かすにも熱が伝播します。空気に面する部分の面積や天かす次第では放熱量よりも蓄熱量が上回り自然発火します。これ化学熱エネルギーですね。

電気熱エネルギー

電気熱エネルギーは文字通り電気のエネルギーにより物質が熱されることを指します。
原因として、静電気、雷、火花、過電流などがあります。

物理熱エネルギー

物理熱エネルギーには摩擦圧縮の2種類があります。

摩擦はイメージしやすいですよね。物質を擦り合わせることで発生する熱です。

圧縮熱は気体を圧縮した際に発生する熱です。これはイメージしにくいですよね。
皆さんもご存じのディーゼルエンジンは軽油を圧縮し、軽油の発火点まで熱することでスパークプラグを使用せずに燃焼させています。これが圧縮熱です。
消防業務でみられる他の圧縮熱だと、ボンベを充填すると空気を圧縮するのでほんのり熱くなりますよね。空気を長時間吸うと圧縮空気が放散されるので、減圧弁などが冷たくなりますよね。これも圧縮熱です。

様々な要因が熱源となります。ここらへんの熱源は消火よりも火災調査で必要な知識になります。

化学連鎖反応

酸化反応が起きた際、化学反応熱が発生します。その熱によって燃焼(酸化反応)の開始と継続に必要なエネルギーが提供されます。燃焼は可燃物が熱されることにより、分子が活性化され、いくつもの反応が連鎖的に発生するため、これを化学連鎖反応といいます。

ここまでの流れを要約すると、
①可燃物から可燃性ガスが発生する。➁それが酸素(支燃物)と混合される。③混合ガスに熱エネルギー(熱源)を与えて燃焼が開始される。④化学連鎖反応が発生し、燃焼の継続に必要な熱エネルギーが供給される。というのが燃焼の流れです。

燃焼の4要素がないと燃焼が継続しないことがよくわかりますね!

まとめ

今回は燃焼の4要素について確認しました。燃焼のメカニズムを理解することは、消火活動に直結するため重要ですよね!

次回は消火について紹介します。お楽しみに!

引用文献

火災防ぎょ 一般財団法人全国消防協会

消火戦術理論 イカロス出版株式会社