こんにちは!消防マナブです!
救急のABCDEってありますよね?初期評価の際に必要な知識ですね。
火災にもABCDがあるのをご存じでしょうか?
これは火災防ぎょにおいて活動の留意点として、頭に入れておく必要があるので、今回は火災のABCDについて確認しましょう!
火災のABCDとは
火災のABCDは、可燃物の種別ごとにクラス分けされた区分になります。
可燃物の種類によっては注水厳禁であったり、留意しなければならないことがありますよね。火災のABCDを理解すれば、隊長から
「D火災だぞ!」と言われれば、「注水厳禁か~」と隊で共通認識をとることができますよね。
だからこそ、火災のABCDを理解する必要があります。
では、次に各クラスについて確認しましょう。
クラスA火災
これはオーソドックスな火災のことを指します。紙や木材、ゴム、合成樹脂などの一般可燃物の火災のことです。
これについては、皆さんもご存じだと思うので特段深堀はしませんが、消火方法は水やクラスA消火薬剤による冷却消火が有効とされています。
クラスB火災
クラスB火災は油火災などと呼ばれています。つまり、ガソリンや軽油などの引火性液体が可燃物となった火災のことを指します。
ガソリンや軽油などの引火性液体は水よりも比重が軽いものが多いという特徴があります。では、ガソリンが燃えているところに水を打つとどうなると思いますか??
水がガソリンの下に入り込み、水に乗り火面が広がってしまいますよね。
水を打つと注水による多少の消火効果はありますが、結果として延焼を拡大させてしまいます。
なので、B火災ではクラスB泡消火薬剤を用いた窒息効果が有効になります。
クラスC火災
クラスC火災は電気火災と呼ばれています。通電中の電気設備や太陽光パネルが可燃物となった火災のことを指します。
感電する危険があるため、二酸化炭素などの不活性ガスによる窒息消火、噴霧放水による冷却消火が有効になります。感電する危険性が高いため、ストレート放水は厳禁です。
また、電気を遮断したり、絶縁用保護具を着装するなど消火の手技以外のところも注意しましょう。
クラスD火災
クラスD火災は金属火災と呼ばれています。マグネシウムや鉄、アルミニウムなどの禁水性の金属が可燃物となった火災のことを指します。
原則、注水は厳禁です。注水すると化学反応が起こり、水素などの可燃物を発生し爆燃してしまうという特徴があります。そのため、乾燥砂による窒息消火が有効となります。
実際に東京で発生したマグネシウム火災の際は、乾燥砂を用いて消火までに1日かかっています。この事案については以下のニュースを参考にしてください。
指導無視、マグネシウム届け出ず 町田工場火災、初動で消防隊が放水、爆発・炎上(1/2ページ) – 産経ニュース (sankei.com)
関係者から燃焼物の情報の聴取や関係機関と連携をとり乾燥砂を取り寄せるなど、他機関との連携が重要になります。上記の事案ではマグネシウム貯蔵の届出もなく、先着の消防隊がマグネシウムの貯蔵を知らずに放水し、爆発的燃焼を起こしています。
皆さんも気を付けましょう!
まとめ
今回は火災のABCDについてまとめました!
どうでしたか?隊で共通認識を持つためにも必要な知識ですよね。
クラスごとに消火の留意点を理解すれば円滑な活動に繋がりますね。しっかり理解しましょう。
引用文献
火災防ぎょ 一般財団法人全国消防協会