こんにちは!消防マナブです!
先日は燃焼の4要素について学びましたね。ということで今回は消火の4原則について確認しましょう!
消火の4原則を理解することで、より自身の消火活動への理解が深まります。
消火の4原則とは
先日の燃焼の4要素から、4要素のどれかを取り除くことで消火できることを確認しましたよね。
取り除く対象ごとに消火方法を4つに分類されています。
それを消火の4原則と呼びます。
これを理解すると、消火方法について理解が深まり、より有効な消火活動に繋がります!
次に各原則について確認していきましょう。
窒息消火
窒息消火は4要素のうち”支燃物“を取り除く消火方法になります。
窒息させる方法はいくつかあるので紹介します。
不燃性の気体で窒息させる方法
不燃性の気体を燃焼物へ覆うことで、酸素を遮断し窒息させることができます。
使用される気体は二酸化炭素や窒素、ハロゲン化合物などがあります。
どういう時に使うの?と思う方もいらっしゃると思います。
不燃性の気体を積載している所属はないと思います笑
これは駐車場などの防火対象物に設置されている不活性ガス消火設備を使用するのが、これにあたります。
泡で窒息させる方法
泡で燃焼物を覆うことで窒息させることができます。この方法は、泡に含まれた水分により多少の冷却効果があります。そのため、窒息消火と冷却消火のW効果が期待できます。
これは防火対象物に設置された泡消火設備、消防車に積載された消火薬剤を用いることがこれにあたります。
消火薬剤にもクラスA消火薬剤、クラスB消火薬剤などの種類があり、同じ薬剤でも消火方法が微妙に異なります。これについては後日また紹介したいと思います。
固体で窒息させる方法
濡れた雑巾や乾燥砂などの固体で燃焼物を覆うことで窒息させることができます。
燃焼が拡大すればするほど、燃焼物を覆う物量が増えるため、我々の消火活動で用いる手技というより、一般市民の初期消火で選択される方法になります。
我々の消火活動だと、金属火災で乾燥砂を用いる場合などがこれにあたります。
希釈消火
希釈消火は燃焼の4要素のうち”可燃物”を取り除くことで消火します。
復習になりますが、燃焼は可燃物から発生した可燃性ガスが燃焼範囲にある混合気と熱源が反応することで発生します。そのため、可燃性ガスの濃度を燃焼範囲以下に希釈することで消火できます。これが”希釈消火”といいます。
液体の濃度を希釈して消火する方法
燃焼中の液体を水などの液体で薄めると、液面上の可燃性ガスが減少することで消火できます。しかし、ガソリンなどの非水溶性の液体に注水すると、水が液体の下に入り液面を広げてしまい、結果的に火災を助長させてしまうので注意しましょう。
強い風で吹き消して消火する方法
燃焼物に強い風を当てると、可燃性ガスが風で飛ばされ、濃度が薄くなって消火することができます。ローソクの火を吹き消すのがこれにあたります。
しかし、実火災で強い風で吹き飛ばすとなると、なかなか現実的でないですよね。加圧排煙機を使ってもワンルームを消火することすらできませんよね。なので、教養として頭に入れておいてください。
除去消火
除去消火は燃焼の4要素のうち”可燃物”を取り除くことで消火します。
延焼先の建物を破壊して防ぎょ線を作る江戸時代の”破壊消防”がこれにあたります。消防士だったら1回はやってみたいですよね笑
破壊消防とか言い出すとイメージしにくくなってしまうので、この話はここらへんで。
実災害で考えると延焼危険のあるプロパンガスのボンベを除去することも除去消火の1種といえるでしょう(まだ燃焼していませんが)。考え方の1つとして持っていましょう。
冷却消火
冷却消火は燃焼の4要素のうち”熱源”を取り除くことで消火します。
水などの消火剤の冷却効果を用いて、燃焼物を冷却しその温度を燃焼点以下に下げて消火します。
実災害で最も選択される消火方法でしょう!
ここに関しては色々と語りたいところですが、語り始めると止まらない内容なので今回諸略させていただきます。後日、”水の消火効果”や”放水形態と空間冷却、躯体冷却の違い”などを記事にしたいと思います。
抑制消火
抑制消火は燃焼の4要素のうち”連鎖反応”を取り除くことで消火します。
抑制消火と聞いたあなた!「連鎖反応ってどうやって取り除くの??」と思いましたよね?
化学反応なのでなかなかイメージができないですよね。
抑制消火は酸化反応を抑制する負触媒物質を用いて消火します。
負触媒物質は消火器や不活性ガス消火設備で利用されるハロゲン化合物や強化液消火器がこれにあたります。
まとめ
今回は消火の4原則について確認しました!
燃焼のメカニズムを理解すると、消火のメカニズムも分かりますよね。これをさらに突き詰めることで、有効な消火活動を行い、人に教えることができる消防士になります。
燃焼についてはこれからもどんどん深堀していこうと考えてるので、今後もご愛読よろしくお願いします。
引用文献
火災防ぎょ 一般財団法人全国消防協会
動画で見る火災性状・注水要領 東京法令出版
消火戦術理論 イカロス出版株式会社